ハリエンジュ・浅間葡萄の原産地、育て方、寄せ植え
目次
ハリエンジュのプロフィール
一般名:ハリエンジュ
学名:Robinia
科名:マメ科
属名:ハリエンジュ属
原産地:北米
樹高:20m以上
花形:長さ15cmほどの房状
開花時期:5~6月
ハリエンジュの花言葉
ハリエンジュの花言葉には、「慕情」、「甘い誘惑」、「友情」、「優雅」、「頼られる人」等があります。
甘い香りと蜜で蜂を引き寄せる様は、「甘い誘惑」を放っており、蜂にとっては頼れる存在に見えます。白い房状の花は、「優雅」な花姿で魅了します。また、この花は歌の題材にも使われ、異性への想い「慕情」をあらわしているようです。
アカシアとハリエンジュ
ハリエンジュは、明治時代に日本に入ってきた外来種です。日本に輸入された際に、アカシアという名前で広まりました。札幌のアカシア並木、はちみつのアカシア蜜、北原白秋が作詞した「この道」にアカシアの花、これらはすべてハリエンジュなのです。ところが、その後ミモザという名でも知られるアカシアの木が日本に入ってきます。最初にアカシアと呼ばれたハリエンジュはマメ科ハリエンジュ属、後から入ってきたのはネムノキ亜科アカシア属、こちらの方が本来のアカシアだったので、混乱を防ぐために、最初に入ってきた「アカシア」は「ニセアカシア」と呼ばれるようになりました。ニセ、というと聞こえが悪いようにも思いますが、区別をつけるためのもので、偽物というわけではありません。ハリエンジュという和名は、枝葉がエンジュに似ていて、葉の付け根に針のような棘があることに由来します。
ハリエンジュの特徴
ハリエンジュの花は、食用にもでき、蜜もとれる有用な食材です。花以外の部分には毒があるので食べられませんが、花は天婦羅などにするとおいしいです。また、花を漬け込んで作るアカシア酒はハリエンジュの花の甘い香りがし、リラックス効果があると言われています。蜜は、蜂に好まれ美味しいハチミツになります。
やせた土地でもよく育つので、明治時代に日本に渡来以来、街路樹や公園樹として植栽されてきました。ハリエンジュの葉は、奇数羽状複葉です、葉をちぎりながら花びら占いのようなことをして遊ばれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。緑化資材としても有用なハリエンジュですが、一方で高木化するために倒れやすくなる面や、生命力が強いために他の植物の存在を脅かすことがある、といったマイナス面ももっています。
アカシアはやはりハリエンジュのイメージ
小学校の音楽の授業で習った歌に出てきて以来、アカシアだと思ってきた木が、アカシアではないというのは衝撃的でした。「甘い誘惑」の元で、ハチミツの原料となる蜜もアカシアの蜜ではなくてハリエンジュの蜜と言わなければいけないのでしょうか。アカシアという名前でも、ハリエンジュという名前でも、どちらでも味に変わりはなく、癖のない甘みの美味しいハチミツなのですから、名前にこだわる必要なはないのかもしれません。ただ、今更、ハリエンジュと言われても、すぐにこの花が思い浮かぶことはないのが残念です。そう思うと、本当はアカシアなのに、別の木が自分の名前で有名になっていて、素敵な花言葉も持っていて、名前を乗っ取られたようになっている「アカシアの木」が気の毒になってきます。
浅間葡萄の読み方
あさまぶどう
別名
黒豆の木(クロマメノキ)
科目
ツツジ科スノキ属
学名
Vaccinium uliginosum
英名
Bog bilberry
分布
北海道から本州中部地方
開花時期
6月〜7月
生育地
山地の林の中
名前の由来
属名のVacciniumはラテン語の「vaccinus(牝牛)」からきています。「uliginosum」は湿地に生えるという意味です。
浅間葡萄について
ツツジ科スノキ属の落葉低木です。本州中部以北から北海道の高山に生えています。北半球にも広く分布していて、亜高山帯から高山帯に生育しています。高さは30cm程〜80cm程で倒卵形の葉が互い違いに生えています。初夏に枝先に小花をつけ、液果を結びます。果実は生食のほかに、ジャムや果実酒としても利用されています。浅間山麓に多く野生し、果実を浅間葡萄と呼びます。ブルーベリーのことです。
花の特徴について
紅色を帯びた白い小花をつけます。花冠の先は浅く5裂しています。
葉の特徴について
倒卵形の葉が互い違いに生えています。
実の特徴について
花の後にできる実は、果皮が肉質で液汁が多い液果です。9月頃に熟します。ジャムや果実酒にも利用されています。
ツツジ科について
学名はEricaceaeです。被子植物に分類される科の1つです。約125属4000種程の大きな科で、温帯から寒帯にかけて広く分布しています。木本で石炭質土壌を嫌い酸性土壌に育つものが多いです。主な属は、アセビ属、イソツツジ属、イチゴノキ属、イワナシ属、イワナンテン属、イワヒゲ属、ウラシマツツジ属、エリカ属、カルーナ属、カルミア属、コメバツガザクラ属、シラタマノキ属、ジムカデ属、スノキ属、チシマツガザクラ属、ツガザクラ属、ツツジ属、ドウダンツツジ属、ネジキ属、ヒメシャクナゲ属、ホツツジ属、ミネズオウ属、ミヤマホツツジ属、ヤチツツジ属、ヨウラクツツジ属などがあります。
スノキ属について
学名はVacciniumです。ツツジ科の属の1つです。常緑または落葉の低木で、まれに小高木となります。葉は互い違いに生えギザギザがあるものとないものとあります。世界には約450種があり、北半球の寒い地域に分布するものが多いです。日本には19種が自生していて、ビルベリーやブルーベリーなどが栽培されています。大きくはスノキ亜属(Subgenus Vaccinium)とツルコケモモ亜属(Subgenus Oxycoccus)に分けられます。日本で自生している主な種は、シャシャンボ節、ヤドリコケモモ節、コケモモ節、ナツハゼ節、スノキ節、クロマメノキ節、クロウスゴ節、イワツツジ節、ツルコケモモ節、アクシバ節などがあります。
まとめ
ブルーベリーとして知られている浅間葡萄(アサマブドウ)は、その姿から黒豆の木(クロマメノキ)とも呼ばれます。果実は生食以外にもジャムや果実酒に用いられており、非常に美味しいものとなっています。その名の通り、浅間山麓に非常に多く野生しているのですが、属名は意外で、ラテン語の「牝牛」と「湿地に生える」という意味からつけられています。日本での見た目や利用方法からはちょっと想像がつきにくい属名です。非常にお世話になっている浅間葡萄(ブルーベリー)ですが、今までは浅間葡萄とブルーベリーは全く違うものと認識していたのですが、生育地が違うだけなんですね。浅間山麓に野生しているものの果実を浅間葡萄と呼ぶみたいです。パン好きは人にとっては特に切り離せない植物ですね。