スミレの原産地、開花時期、花言葉、誕生花日付について
目次
スミレのプロフィール
一般名 スミレ
学名 Viola mandshurica
科名 スミレ科
属名 スミレ属
原産地 アジア
草丈 10~20cm
花径 1~2cm
開花時期 2~4月
スミレの説明
春に紫のラッパのような形の小さな花を咲かせます。野草として道端で咲いていることもある身近な植物です。サラダやお菓子の材料に使うほか、香水や染料などとしても利用されています。
スミレの花言葉
「誠実」
「ひかえめ」
「小さな幸せ」
花言葉の由来とエピソード
ギリシャ神話に、イオという美しい娘が出てきます。イオは天の王ゼウスの妻ヘラの神殿の巫女でしたが、天の王ゼウスに見初められ関係を持ってしまいました。ある日、二人が草原でたわむれていたところをヘラに見つかり、嫉妬したヘラに牡牛の姿に変えられてしまいました。草原には牡牛のイオに食べられるような柔らかい草が生えていなかったため、ゼウスはイオの食料としてスミレの葉を作りました。牡牛になってもなお、イオはヘラにたくさんの嫌がらせを受け、命を落としました。ゼウスはとても悲しみ、彼女の美しい瞳のような花を、スミレの葉に付けました。スミレは、ゼウスのイオへの「誠実」の証なのでしょう。
ヨーロッパでは、スミレは「ひかえめ」を象徴する花といわれているにも関わらず、華やかな薔薇や百合などと同じくらい大事にされています。その理由は、ひかえめであることは魅力的な女性なら身につけているエチケットであるからです。あまり目立ちませんが、よく見ると美しい姿は、知性美を感じさせます。
スミレは若い乙女たちが集まっているようにも見えます。ギリシャ神話では、美の女神ヴィーナスが踊っている乙女たちの群れを見つけたときに、息子のキューピッドに「乙女たちとこの私と、どちらが美しい?」と聞きました。キューピッドは母を困らせてやろうと「乙女たちのほうです」と答えるやいなや、プライドを傷つけられたヴィーナスの怒りは爆発し、乙女たちの肌が紫色になるまでひどく打ち据えたのです。キューピッドは乙女たちを哀れに思い、スミレに変えました。
スミレの紫は悲しみを意味しています。聖母マリアの祭壇にスミレの花輪を飾る風習は、イエス・キリスト受難のときの十字架の影がスミレに落ちたためといわれます。キリスト教会の葬儀には紫の服を身に着け、未亡人が紫水晶で着飾るのはスミレ色から由来しています。
スミレの誕生花日付
2月19日
まとめ
エルバ島に流された皇帝ナポレオンは、スミレの花が咲くころに戻ってくる」と約束し、見事チュイルリー宮殿に戻りました。「スミレ伍長」と呼ばれ、同士の生存を確認するのにスミレの花を使うなど、ナポレオンはスミレが大好きだったそうです。ブルボン王朝になるとスミレは反逆の証とされ忌み嫌われましたが、ふたたびナポレオン三世が統率する時代になると大人気となり、葬儀の際、スミレで編んだ花の布で棺を覆うほどでした。派手さはありませんが、ちょっと小首をかしげたような、考え事をしているような姿のスミレは、他の花にはない賢さがあるように見えます。日本ならあちらこちらで見かける、親しみのある花です。そういえばスミレの花は、昔のしとやかな和装の日本人女性を思わせるような気がします。