泰山木の開花時期、花言葉、名前の由来、エピソード
目次
タイサンボクのプロフィール
一般名:泰山木(タイサンボク)
学名:Magnolia grandiflora
科名:モクレン科
属名:モクレン属
原産地:北アメリカ
樹高:5~20m
花形:9~12弁花
開花時期:5~7月
泰山木の花言葉
泰山木の花言葉は、「前途洋々」、「希望に満ち溢れている」、「壮麗」、「威厳」、「真の輝き」、「自然の愛情」です。
泰山木は樹高が高く、その梢の枝先に大ぶりの白い花が上向きに天を向いて咲きます。「前途洋々」、「希望に満ち溢れている」という花言葉は、その様を表しているようです。「壮麗」、「威厳」、「真の輝き」は、泰山木の花のイメージを表現しているようです。厚みのある花弁は、1枚1枚が手のひらよりも大きく、輝くような白色です。その花弁が集まった花は、馥郁とした香りを放ちます。花は、6枚の花弁と3枚の萼片から成っていますが、どちらも白いので見分けがつかず、9枚の花弁があるように見えます。ただ、花弁の数は一定しておらず、9枚~12枚のものもあります。花弁の真ん中に、たくさんのおしべとめしべが円錐状についています。開花すると40~60cmほどの大きさになる花は、日本の樹木の花としては、最大級です。美しいのですが圧倒される大きさです。
名前の由来
泰山木は、北米が原産地です。今でも、アメリカ南部を象徴する木といわれており、ミシシッピ州とルイジアナ州の州花に指定されています。日本に伝えたのも、明治の初頭に来日した当時のアメリカ大統領であるブラント夫妻で、大統領夫人が植樹された木が、日本の最初の泰山木となりました。英語では、サザン・マグノリアと呼ばれています。科の学名にもなっている、Magnoliaーマグノリアという名は、フランスの植物学者ピエール・マニョル氏の名前にちなんだものです。
泰山木という名前は、その花や木が大きく立派なことから、中国の名山「泰山」になぞらえたためといわれています。または、大きな杯のような形の花を咲かせるため、「大盃木」と呼ばれていたのが転訛したという説もあります。
泰山木のエピソード
泰山木の花は、俳句では夏の季語になります。5月~7月に咲くため、日本ではちょうど梅雨時に花を咲かせます。杉田久女の詠んだ「長雨や泰山木は花堕ちず」という句は、梅雨時の日本の原風景を表現しているようです。高浜虚子の「昂然と泰山木の花に立つ」という句は、圧倒されるほど巨大な泰山木に負けない心意気のようなものを感じます。
香りも味も特別な泰山木の花びら
泰山木の花の花びらは肉厚で、馥郁とした香りがあります。この花びらは食べることもでき、食べると甘い味がします。大きな花をとって、透明感のある不思議な白さの花びらを食べるというのは、ちょっと不思議な経験です。大きくて柔らかくて良いにおいのする花びらを口に含むと、花蜜に似た甘みが口中に広がります。むしゃむしゃ食べる感じではありませんが、なんだか得した気分になります。泰山木の木は「壮麗」で圧倒されるのですが、泰山木の花は、「自然への愛情」を私に感じさせてくれます。ハッとするような上品な美しさに目は喜び、触るとその特別な触感が気持ちよく、香りに魅せられ、味覚も満足する、そんな素晴らしい花、五感のすべてを使って味わいたい花です。