生け花と茶道の関係について

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生け花と茶道の関係について
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生け花も茶道も歴史深い日本の伝統芸能でありますが、茶道において「茶花(ちゃばな」といって生け花を生ける習慣があることをご存知でない方もいらっしゃると思います。今回は生け花と茶道の関係についてご紹介させていただきます。

目次

茶花とは

千利休が茶道を大成したことにより、室礼の一要素として茶室に花が飾られ始めるようになりました。この際通常の生け花とは違い、四季折々の素朴な花を飾られることが多くなっています。これは千利休が「くずしの美」としてわび茶を始めたことから由来し、「花は野にあるように」と伝えたことから無造作にさりげなく飾られることが多いです。茶花も通常の生け花同様に美しい花々の移りゆく儚い命を見届ける点では一緒なのですが、茶花では茶事の間に蕾がほころぶ姿を楽しめるようにと、比較的寿命の短い花を用いられるようになっています。限りある命に一期一会の心も表されています。また、繊細な茶の味を邪魔しないように、百合や薔薇などの香りの強い花を用いることはタブーとされています。

茶花に用いられる花入れ

茶道において茶花に用いられる際の花器を「花入れ」といいます。その素材はさまざまで、陶器で出来たものから竹や籠で出来たものまであります。素朴にしたい場合は竹や籠を用いるなど工夫がほどこされます。

また花入れにはひとつひとつ格があり、一番高い格のものは「真」の花入れとなっており、古銅や青磁などの素材でできていることが特徴です。次に高い格のものは「行」の花入れとなっており、釉薬(水に粘土や灰などを懸濁させた液体のことで、光沢がある)のかかった花器を用います。一番カジュアルな格のものが「草」の花入れとなっており、釉薬のかかってないものや竹や籠も用いたものが使用されます。

 茶花におすすめのお花

椿:美しい花を咲かせる椿は、一本でも十分華があり、茶道において格が高い大変重宝されているお花です。冬から春にかけて飾られ、茶花において大切な季節感をよく表してくれます。白椿や寒椿など種類もさまざまなため、その時期に合う椿を選んで生けましょう。

紫蘭:素朴な雰囲気を残しながらも、目を引かれるような鮮やかな紫色の花を咲かせる紫蘭は5月や6月にかけての初夏の季節にぴったりのお花です。

額紫陽花:中心に小さく可憐な花を咲かせる額紫陽花は、茶道の場において主張しすぎず、華やかさをもたらしてくれます。紫陽花をみると梅雨の季節が思い浮かばれるように、こちらは梅雨の時期に生けられることの多い茶花のひとつです。

桔梗:6月から9月にかけて夏の時期に咲く桔梗は夏の暑い時期も忘れさせてくれるような清涼感のある青紫色の花を咲かせてくれます。

撫子(なでしこ):9月から11月にかけて開花するため、秋の季節の茶花におすすめです。日本では昔から素晴らしい女性を「大和撫子」と呼ばれているほど、撫子は人々に身近な花のひとつです。日本で古くから親しまれている花で、これは撫子の花の繊細で可憐なイメージから由来しています。

まとめ

茶花では可憐で匂いが強くない花を選び、その中で季節感を表すことがもっとも大切なこととされています。茶道をされる際はそれに合った美しい茶花を選び、より良いお点前の空間を演出していただけると幸いです。