花束の基本!「パラレル」に挑戦してみよう
花束の組み方について
代表的な花束の束ね方に「パラレル」と「スパイラル」があります。その違いをご紹介します。
スパイラルは茎がらせんを描くように一定方向に束ねていきます。完成したスパイラルの花束は茎を束ねた部分から逆三角形に広がり、茎をそろえてカットすると平行な台の上に自立します。花を広がるように作れるため、ボリューム感が出せます。
それに対し、パラレルは茎をまっすぐ平行に束ねます。花の持つすっとしたラインをいかしたい時や挿し口の小さな花瓶に飾る時に適しています。丈が長く、茎の太いアマリリスなどはパラレルの方が作りやすいです。パラレルは入れる花材などにもよりますが特に決まった手順などはなく、飾りたい花瓶の高さに合わせて花の動きを楽しむことが大切です。例えば1本でとても表情のある「ミズキ」の枝はパラレルで組んだとしてもとても動きが出てボリュームも出ます。
花束と同じくパラレルはアレンジメントの作り方でもあります。こちらも平行に生けた形の事を指します。しかし、すべてを平行にするという訳ではなく、平行なアレンジメントの中にクロスしたり斜めにしたりのアクセントをつけても良いです。
パラレルの束ね方に挑戦してみよう
初夏が旬の枝ものであるスグリを使って、元気の出そうな色の組み合わせの花材を花瓶に飾ってみましょう。
用意するもの
・丈が長めの花瓶(枝ものを入れても倒れないもの)
・スグリ(透明感のある赤い実をつけます)・・・枝ぶりの良いもの1本
・ダリア(ピンク)・・・2本
・スプレーバラ(ピンク)・・・3本
・ドラセナ(グリーン)・・・2本
1、花瓶をきれいに洗い、水を半分ほどためておきます。
2、花材の下準備をします。スグリやダリアの余分な葉を取り、バラは半分から下の葉とトゲを取ります。トゲは鋭いので気を付けてください。
3、はじめにスグリを一番きれいに見える正面を向けて持ちます。
4、スグリを中心とし、少し下の左側の位置にスプレーバラを入れます。
5、その横の中心の部分にダリアを入れます。ダリアは2本縦に入れてメインの部分にします。
6、4で入れたスプレーバラと同じように右側にもスプレーバラを入れます。
7、右、左に入れたスプレーバラのサイドにドラセナを入れて花を固定するように支えます。
8、中心に並んだ2本のダリアの下にスプレーバラを入れます。
9、スグリの動きときれいな実がきちんと見えているか調整しながら整えます。茎を束ねた部分に葉が残っていれば取り除き、結びましょう。花瓶の高さに合わせて茎をカットします。花瓶に入れて完成です。
花瓶のふちの部分がさみしいようでしたら途中でナルコユリなどの入れやすい葉をたしてみてください。また、慣れてきたら前や横の部分だけではなく、後ろ側にも入れていくと花の奥行きがでて素敵です。
いかがでしたでしょうか。「枝ものを飾るのは難しそう」と思う方でも簡単に取り入れることができる組み合わせです。季節感のある枝ものを取り入れると上級者感が出ます。春は桜やコデマリ、夏はフウセントウワタ、秋はフォックスフェイスや紅葉のきれいなもの、冬はクリスマス、お正月らしいものなど、このほかにもたくさんの種類の枝ものがあります。パラレルの組み方をマスターすると手軽に枝や花を飾る事ができますのでぜひ、挑戦してみてください。