赤花蛭木の原産地、開花時期、育て方、寄せ植え、花言葉
目次
読み方
あかばなひるぎ
別名
雄蛭木(おひるぎ)
科目
ヒルギ科オヒルギ属
学名
Bruguiera gymnorrhiza
花の特徴について
赤花蛭木(アカバナヒルギ)は、雄蛭木の別名になります。雄蛭木は、ヒルギ科オヒルギ属のマングローブ樹種の1つです。樹高は最高で25Mほどになります。常緑高木で、日本国内では樹高が10M程まで成長したりします。葉は対生で、長さ10cm程度の長楕円形で厚みがあります。先端は尖っていて、基部はくさび型の形です。根(呼吸根)は屈曲膝根と呼ばれて、人の膝のように見える根が地中から出ています。大型の個体になると根本が根板根状となっています。
花期は晩春から夏にかけてです。葉腋に単生し直径3cm程度の花をつけます。花のよく目立つ部分は萼(萼筒)であり、形状は筒状、厚く赤色で突き出してします。先端は内向きに抱えます。先端が8〜12枚程度に裂けて櫛の歯状になります。このように萼片が赤く色づき目立つことが雄蛭木の別名アカバナヒルギの名前の由来となります。花弁は萼筒の中にある為、目立たちません。淡黄緑色で、先端は萼筒と同様に8〜12枚程度に裂けます。雄しべは20個程度です。花には甘みの強い蜜があります。
マングローブ樹種の特徴でもあります胎生種子を作ります。果実は赤い萼の内側で成熟、外見的には確認しずらいです。萼筒の内側から根が長く伸びて20cm以上の棒状となります。緑色から淡黄色まであります。胎生種子の生産は9月で、やがて萼の内側から先端の芽ごと抜け落ちて、海流散布などにより分布されます。
生育環境について
亜熱帯地域や熱帯地域の一部の河口干潟に生育するマングローブ植物は、内陸の汽水域を好んで群生します。日本のマングローブの帯状分布では、メヒルギやヤエマヒルギの内側に群落を作り、もっとも背が高くなります。内陸側はほぼ陸に接続します。
分布について
東アフリカから中国南部、東南アジア、オーストラリア、ポリネシアに広く分布しています。日本国内では、奄美大島以南の南西諸島(奄美大島、徳之島、久米島、南大東島、宮古諸島、八重山諸島)に分布します。
日本における生育地について
奄美大島笠利町を北限として、南西諸島の河口干潟に広くマングローブ林を構成します。琉球諸島ではヒルギ科三種のうち、最も内陸側に生育し背が高くなる種です。奄美大島では分布地点は少ないですが大きな集団を形成してます。沖縄本島では、島北部の東村等の河口干潟に広く分布しています。また島南部の漫湖にも植栽されたものが定着しています。
南大東島では、汽水域の河口干潟ではなく、淡水の閉鎖水域に生育しており、その貴重さから国の天然記念物に指定されています。八重山諸島にも多く分布していて、石垣島の宮良川や西表島の仲間川などでは大規模なマンショングローブ村となっています。
まとめ
雄蛭木の名前で知られている赤花蛭木。樹高10M程まで成長します。海外や奄美大島以南の南西諸島(奄美大島、徳之島、久米島、南大東島、宮古諸島、八重山諸島)に分布します。非常に変わった特徴的な形をしている赤花蛭木、直接見たことはないのですが、画像などを見る限り、ちょっと気持ち悪いといいますか、かなりいびつな形をしているな、という印象です。遠くから見ると植物というよりは、まるで蜘蛛のような生き物のような姿に見えます。マングローブの一種ということを知って、このいびつな形が妙に納得できました。確かにジャングルっぽい場所に生えてそうな感じがします。国内では、南西諸島に行くか、植物園でも行かない限り見ることはできませんが、ぜひ、生で見てみたい植物の1つになりました。