キク科の植物!赤花除虫菊の特徴と学名・原産地について
目次
読み方
あかばなじょちゅうぎく
別名
赤花虫除け菊(あかばなむしよけぎく)
科目
キク科シロバナムシヨケギク属
学名
Chrysanthemum coccineum
Chrysanthemum:キク属、 coccineum:紅色の
Chrysanthemum(クリサンセマム)は、
ギリシャ語の「chrysos(黄金色)+anthemon(花)」が語源です。
英名
Pyrethrum
原産地
西南アジア
花の特徴について
初夏から夏にかけて菊に似た花が咲きます。蚊取り線香などに使われるのは、クロアチア地方原産の「シロバナムシヨケギク(P.cinerariifolium)」です。どちらも花に「ピレトリン」という殺虫成分を含みます。本種はその含有量が少なく、主に観賞用として栽培されています。高さは40〜70cm程になります。根生葉は羽状複葉または羽状深裂です。茎上部の葉は欠刻中裂で10〜30cm、6月〜7月に5〜7cmの頭状花を単生します。花色は淡紅色から濃紅色ですが、白色または淡紫色の品種もあります。一般的には、一重咲きですが、八重咲きの品種もあります。近緑のシロバナジョチュウギクC.cinerariaefolium Visianaと同様、ピレトリンを含むので、頭花から除虫剤をつくります。害虫駆除の農薬や蚊取り線香をつくります。別名で赤花虫除け菊(あかばなむしよけぎく)とも呼ばれます。キク科シロバナムシヨケギク属の多年草です。
除虫菊について
シロバナムシヨケギクとも言います。その1種が赤花虫除菊です。日本には明治初年に渡来し、1943年頃までは世界第一の生産国で、その90%が輸出され、重要な特産物の1つでした。主産県は、和歌山県、愛媛県、岡山県、広島県、北海道でした。特に瀬戸内海沿岸の段々畑で多く栽培されていました。現在はわずかしか栽培されていません。日本での栽培例としては、9月下旬に苗床に播種、10月〜11月か翌年4月に定植し、次の年の5月〜6月に開花する花を摘み取ります。近縁のアカバナムシヨケギク、コーカサスムシヨケギクも殺虫成分のピレトリンを含みますが、含有率がジョチュウギクに比べて低く、花の収量も少ないため、日本では主に観賞用とされています。
キク科について
学名はAsteraceseで、被子植物真正双子葉類に属する1分類群です。もっとも進化し、もっとも分化している植物とされます。分類は、以前は、キク亜科とタンポポ亜科に分けられていましたが、12の亜科に分類されます。その内4亜科が、99%の種を含みます。主な亜科については、ムティシア亜科・アザミ亜科・タンポポ亜科・キク亜科などになります。
まとめ
除虫菊の中で日本国内で最も一般的な「アカバナジョチュウギク」。白花除虫菊を含め、これら除虫菊の持っているピレトリンという成分によって、害虫駆除の農薬や蚊取り線香がつくられています。当然、ジョチュウギクの花には虫も止まりません。以前は、和歌山県や愛媛県など、日本国内でも栽培されていましたが、今ではその多くが観賞用となっています。見た目は名前と違いキレイで、こんなキレイな花から農薬や蚊取り線香がつくられているというのは不思議なことでもあり凄いことでもありますが、身近なところで花から取れた成分が活躍していることは嬉しく思います。まだ実物を見たことがない人はぜひ1度見られることをオススメします。蚊取り線香とはすごくギャップを感じる花姿です。